「水素エネルギー活用促進につながる試験機」を九州工業大学と共同研究・開発しました
お知らせ
当社と九州工業大学(福岡県北九州市)はこの度、「水素エネルギー」の活用につながる試験機を共同開発し、事業化に向けた取り組みを開始したことをお知らせします。
共同研究・試験機開発の概要
産業界では、カーボンニュートラルの実現に向け「水素エネルギー」の活用検討が進んでいます。水素は次世代エネルギーとして期待されている一方で、金属材料によっては、劣化(水素脆化)を起こす可能性があり、材料の評価が急務となっております。
当社と九州工業大学で共同研究・開発した※クリープ試験機は、高温の水素環境下で金属素材に荷重を与え、「どの金属素材が・どの荷重で・どんな温度だと・どの程度水素の影響を受けるか」を試験できます。※クリープ試験:高温状態で試験片に負荷を与えることで変形させ、試験片が破断するまでの時間を測定する試験。
共同開発した試験機の強みについて
高温水素下で評価できるクリープ試験機の製作には、高度なノウハウが必要であることに加え、安全性を確保するために試験機が高額になる問題が発生しており、国内で評価できる場所がかなり限られているのが現状です。
この度、高温水素下での金属材料評価の知見が豊富な九州工業大学・薦田 亮介 准教授と、当社で共同開発を行い、試験機の仕様を最適化し、製造コストを抑えたクリープ試験機を開発いたしました。クリープ試験には、数百~数千時間、場合によっては年単位の長時間を要しますが、コストを抑えた試験機を複数台用意することで、試験のリードタイム短縮に貢献できると考えております。
両社役割
九州工業大学:水素関連の知見提供、試験結果フィードバック など
両 社:試験方法の確立、試験機の仕様検討 など
当 社:事業化に向けた市場調査、量産試験機の設計、試験請負のPR活動、試験請負 など
当社が本件に取り組む意義
当社は1907年の創業以来、鉄鋼、自動車、電子・半導体など産業界向けに製品・商品・サービスを販売してきました。ものづくりの現場では、生産時のCO2削減(カーボンニュートラル実現)に向けて、水素エネルギーの活用も検討が進んでいます。本研究・開発により、水素エネルギー活用および、カーボンニュートラルの実現に貢献したいと考えております。
今後について
●2025年度に事業立ち上げ(試験機の立ち上げ、収益化ビジネスモデル確立)
●2030年度に本試験機での事業を含む水素関連ビジネスで5億円以上を目指す。
●※リックス協創センター(福岡県糟屋郡、2024年11月開所)でも研究開発を行う予定。
※リックス協創センターについてはこちら