【環境大臣表彰】当社製品「ロッキーライトRS」(フォーミング抑制剤)が令和4年度 循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰を受賞しました。
お知らせ
当社製品である※フォーミング抑制剤「ロッキーライトRS」(特許番号6281800)が、令和4年度 循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰を受賞しました。この表彰は、循環型社会の形成について顕著な成果を上げた個人や企業などが対象となっています。当社の同製品は、本来はいずれも産業廃棄物として処理される「製紙スラッジ」と「人工大理石の端材」を独自の配合で組み合わせてつくっています。
※鉄鉱石から鉄を取り出す金属精錬の際に発生するスラグ(金属カス)の吹きこぼれを防止するもの。
賞の概要と当社表彰理由
【賞の概要】
名称:令和4年度 循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰(表彰主:環境省)
概要:廃棄物の発生量の抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)の適切な推進に顕著な功績があった個人、企業、団体を表彰。平成18年度より表彰開始し、令和4年度は当社を含めて7企業、3団体の合計10件が受賞。
【当社表彰理由】
金属精錬時には、製紙会社から出る「製紙スラッジ」を利用してきたが、製紙会社内の発電燃料に使われるようになり、入手困難となっていた。そこで平成28年から、その代替として「廃棄人工大理石」を活用した製品を開発。従来品より高性能で使用量を2割削減でき、廃棄物の削減と有効活用に寄与している。(公益財団法人廃棄物・3R研究財団のHPより抜粋)
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フォーミング抑制剤「ロッキーライトRS」(特許番号:6281800号)について
【開発趣旨】
当社はこれまで、製紙の際に発生する廃棄物「製紙スラッジ」(製紙工程で再生できずに残った汚泥)を再資源化したフォーミング抑制剤「ロッキーライト」を長年にわたり販売してきました。ただ近年、高品質な鉄をつくるためにフォーミング抑制剤の使用量が増える一方、原料となる製紙スラッジの入手は年々難しくなっています。高品質な鉄をつくるためには、フォーミング抑制剤が必要不可欠です。そこで、当社と福岡県工業技術センター化学繊維研究所(以下、化繊研)が協同し、原料の一部を代替することを目指しました。
※フォーミングとは・・・高炉の中で鉄を溶かす工程において、不純物が浮いたりガスが発生したりして、表面が固まり皮を張ったような状態になること。抑制材などを加えないと最終的には吹きこぼれの恐れがあり大変危険。
【産業廃棄物(製紙スラッジ) × 産業廃棄物(人工大理石)でこれまでより高性能な製品】
製紙スラッジの代替品として高い効果が見込める新素材も存在しましたが、いずれも環境面に難点がありました。そこで、本来は産業廃棄物として処理される「人工大理石の端材や失敗品」などを活用することを考えました。
【フォーミング抑制剤の原料として見る「人工大理石」の特徴】
人工大理石は、水酸化アルミニウムを多く含有し、温度が200℃以上になると水分が出てくる性質があります。そのため、製鉄に用いる高炉に入れると、瞬時に水蒸気になって熱を奪うことで吹きこぼれを防止することができます。また、製紙スラッジと同様に、ガス発生量の多い性質を持っていることで、フォーミング抑制剤としての高い効果が見込まれました。
【課題解決のため繰り返し試験】
人工代理石はブロック状のまま使うと、フォーミングを防ぐために必要な瞬間的な力が弱かったため、粒状にすることを考えました。当社は、原料を微粒化する装置「G-smasher」を開発した経験があったため、原料の体積を小さくすることで表面積が大きくなり、フォーミング抑制剤として力を発揮してくれると確信していました。
しかし、単に製紙スラッジと粒状にした人工大理石を組み合わせるだけでは、従来品より効果が落ちてしまいます。そこで、当社と化繊研は、素材の量や配合率、粒の大きさなどを変えながら試験を繰り返し実施。約2年の開発期間を経て、製品の高性能化に成功しました。ロッキーライトRSとして2017年8月から発売を開始し、2022年9月までに累計約17,883を顧客に納入。実際に使用した顧客からは「人工大理石のみでつくったフォーミング抑制材と比べ、持続時間が長い」と好評を得ています。
ロッキーライトRS 年度別納入量
2017年=約1,360トン / 2018年=約3,285トン / 2019年=約3,679トン / 2020年=約3,503トン / 2021年=約3,941トン / 2022年(9月時点)=約2,114トン※今後も年間3,500トン前後を継続して納入見込み